Mという元オウム信者のフリーライターは、すでに信仰に対する熱意も衰え、惰性で出家を続けている信者だった。しかし、お布施ですべての財産を巻き上げられ、蓄えもほとんどなくこっそりとライターのアルバイトで脱会の時期を見計らっていた。2006年2月、ようやく引越しなどの資金も確保し、ライターとして生活する見込みが付いたところで、オウムの施設を脱走し晴れて自由の身になった。ライター名義の名前はペンネームでコンピューター関連の記事を得意とするライターとして出版社からはよく声もかかった。
しかし、突如としてMがオウム信者であるという情報がNというフリージャーナリストによってマスコミ各社に伝えられるようになる。さらには、Nはブログなどを使ってMを攻撃し始めた。実はNというフリージャーナリストはオウム真理教と極めて密接な関係を持つ、脱会阻止のための隠れオウム信者だったのである。Nのホーリーネームは ヴァジラ・プラムディター菩師長。公安調査庁とも強く敵対し、オウム施設への立ち入り調査を妨害目的でビデオ撮影し監視を受けることになる。後に監視していた公安調査庁職員への暴力行為を働いて逮捕されている。
Mがオウム信者であった過去をNによって暴露されたのは、脱会からわずか1月の出来事である。
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